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お父さんの日記

二人の男の子の父親の日記です。

ラーメン屋での経験

日記

「やっぱり経験って大事」

これ、身に沁みて思う事。

もう何年も前になるか、ラーメン屋さんをやった事があった。

役とかではなくガチで。

理由は話せばかなり長くなるのだけど、端折って言うと、当時所属していた事務所からわたくしのお仕事が徐々に減り経営不振で給与を払えなくなると言われ、こりゃあマズいと思い何か個人的にビジネスでも始めようかとプラプラしてたらラーメン屋さんをプロデュースしないかと知人から話を貰いまして、ラーメンとかあまり好きじゃ無いけど面白そう、と軽いノリでとりあえずカップラーメンをプロデュースする事に。

で、事務所からそのプロデュース料がどういう訳か微塵も頂く事が出来なかったので、愚痴っていましたら再び知人から、今度はお店を一緒に出さないかと話になり、ラーメン屋さんって当たればべらぼうに儲かるんじゃね、しかも料理人とかイケてるんじゃね、と更に軽いノリで考え、とりあえずラーメンのラの字も知らないからお芝居のお仕事の傍らラーメン屋さんで半年かそこいらバイトさせてもらいまして知人とお店を出すに至った。

かなり端折って書いてしまいましたが。

まぁ、しかしその当時の家族の不安は半端なかったでしょうねぇ。

俳優からラーメン屋になりたいと突然言い出すんですからねぇ、わたくしも

「俳優のお仕事は三十代はお父さん役や上司役になるのも難しいし、かと言って若い部下やキラキラした恋愛モノの役も難しい微妙な時期になると先輩の役者さんから聞いているし、ラーメン屋さんでドカンと当たれば、いつかやりたいと思っていたホラー映画かエロい映画の監督とか自分のお金で好き勝手出来そうだし、何はともあれ俳優のお仕事が少なくなっても家族は養える、もう完璧じゃん」

と、いう感じに目をキラキラさせて意気揚々に妻に話していたようで、妻からしたら無給でバイトするわ、粉臭いわ、家にいないわで「俺、明日からアラスカに金脈掘りに行ってくるわ、これで家族安泰だぜ、ガハハ」に近い事を旦那に言われるんですからたまったもんじゃ無いですよねぇ。

次の瞬間に離婚をお願いされました。(あ、これが離婚の原因じゃないですわ)

ホントあの時の家族は暗かったなぁ、明るいのはわたくしだけだったような。

そりゃそうか。

で、話は戻って、そのラーメン屋さんをオープンして蓋を開けてみたらどういう訳か大当たりしちゃったんですよねぇ。

一日に百杯出れば嬉しいねぇ、と話していたのが、一日に五百から六百杯出る事になり、調子に乗って次の店舗を出したらその店も一日に三百杯ぐらいと、いきなりアホゥになりそうなぐらい売れる事になったのです。

本当に商売というのはわからないもので、お店を出す前にプロデュースのラーメンをバイト先で出していたのですが、そのラーメンは「カラダに優しい」をコンセプトにして化学調味料を使わず、麺にヨモギを練り込むなど、自分の大好きな蕎麦に近いモノにしたら近所のお年寄りの方が一日十人食べに来て頂けるぐらいでした。

で、若いガテン系のお兄さんが食べに来ると「なんだこのラーメン、全然パンチがねぇし、味が薄いし」と言われる始末。

で、カチンと来たわたくしは、そうだ、これはB級グルメなんだ、ラーメン◯郎を見習わないといけない、と気持ちを切り替え、普通のラーメン屋さんぐらい化学調味料を使い、油を多めにした、わたくしなりにパンチを重視した「エビ味噌トンコツ」をプロデュースしました。

わたくしの場合こだわってやりすぎるとすぐ心が折れそうになるから、自分のあまり好きではないトンコツと味噌ラーメン、に癖になりそうな味と言えばエビ、と言う感じで「エビ味噌トンコツ」を出しましょうと、まぁこれもかなり軽いノリなんですが。

で、それを出したら見事に売れてしまったんですよねぇ。

わたくしのプロデュースは好き勝手言うだけなんで、言った事をまとめる料理人が凄かったのと、あとはタレントが片手間にラーメン屋さんをやってると思ったら結構なガチだったから、興味を持たれて取材が殺到したのと、更に見た人も「何故ラーメン屋さん?」と、理解出来ずにバランスが崩れて気になってしまい一度食べてみようと思った人が増えたり色々重なったのかなぁと思います、味は賛否両論でしたし。

で、あれよあれよと色んな所に五店舗も出す事になったのですが、この後ノリに乗ったわたくしにぶったまげる出来事が起こりました。

話が色々とんで長くなりましたので、また次回に。